四百八十一話 すももさんはアップルパイを要求した、すなわち風邪か?
放課後、俺はりんご、シャロン、飯山、山崎、新井の五人と共にカフェダムールに向かう。
そんな中、りんごのスマートフォンが鳴った。
「姉貴?どういうことだ?」
その様子からしてメールですももさんからだが様子がただならない。
「すももさんはなんて言ってるんだ?!」
新井ががっついてそれを覗き見る。
「アップルパイ?」
すると首を傾げた。
「アップルパイ買ってきてくれてあるんだよ」
俺たち他のやつが見るとりんごが説明した。確かに文面には「学校終わったなら帰りにアップルパイ買ってきてくれない?」とある。
「おやつの要求なんて、珍しいな」
「ああ、本当に風邪でも引いたのか?」
俺が言うとりんごも眉を潜めた。
「マジかよ、急いでいかねえと!」
「落ち着けし、風邪だとしてもすぐ行っても治んないじゃん」
新井が取り乱すと飯山が宥める。
「でもよお………」
「まあ待ちなって、だからアップルパイ買ってきてあげるんでしょ」
落ち着かない新井に山崎も加わる。
「それに、わたし達みんなで行けばすぐ元気になりますよ!」
「そ、そうだな」
シャロンにも言われようやく新井は落ち着く。
「じゃ行くか、風邪引いたっぽいすももさんを励ましにな」
俺はみんなに呼びかけた。




