四百七十八話 梅雨時は常連達が集まる⑤
「ええ!?そう、だったんだ………。新井くんはいつも来てくれるしわたしのこと呼んでくれるからついそんな顔、してたのかな。にへへ」
すももさんはだらしなく笑った。これは俗に惚気という。
「ふふ、スモモはアライのことが好きなんですね」
シャロンがくすりと笑った。
「そ、そうなんですか!?しゃあ!これもう両思いじゃん、俺もう気分さいこーだぜ」
新井はガッツポーズを取って喜ぶ。
「両思いて、別にわたしそんなつもりじゃないんだけど………」
とすももさんは恥ずかしそうに顔を彼から逸らす。
「照れちゃって。流石すももちゃん、可愛いわね。あ、でもこれってすももちゃんがわたし以外のものになるってことになるよのね」
清さんがそんな彼女にはんなりと笑い紅茶をすする。すると顎に手を当て憂いた。本当にすももさんへの独占欲強いな。
「いや、充分両思いだしのろけでしょ!もう付き合っちゃえよ二人とも!」
俺はこの空気に耐え切れず叫ぶ。
「付き合う?!すももさん付き合ってくれるんですか!?」
新井はテンションの上がり過ぎで立ち上がって言う。
「え、待って………わたし心の準備が出来てないんだけど…………」
すももさんは顔を赤くして戸惑う。
「とりあえず番号だけでも交換したらどうだ?」
「そ、そうね………」
りんごの提案にすももさんが乗る。




