四百七十四話 梅雨時は常連達が集まる
梅雨時になり、今日も外では雨が降っている。カフェダムールの中ではいつも通り、というかいつもより人が多い。なぜかアリエまで手伝う始末だ。
「おかわりくださーい!」
「ちょっと待ってなさい、今持ってくるから」
アリエの学友の美希ちゃんが言うとアリエが返事する。
「そこのお嬢さん、この後僕とランデブーといかないかい?」
「ごめんねぇ、あたしの隣はアリエたん専用だからー」
マイクが甘い言葉と目付きと共に美佳ちゃんを誘うがやんわりと断られていた。
だがアリエの隣はそいつではなく俺のものなんだ。忙しくて突っ込む余裕はないが遠目から睨んでおいた。
「おや、君のは知らないがアリエちゃんの隣は葉月くん専用じゃないのかい?」
マイクが異論を唱えた。ほら言ってやれ言ってやれ。
「やだなぁ、そんなの分かってるよ。アリエたんの隣は彼氏さん専用。でーも、あたしの隣はアリエたん専用なの、分かる?」
美佳ちゃんはもったいぶって返した。
「アイドンノウ。いや、分からないね」
マイクはあまりの難解さに最初母国語で返してしまう。




