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四百五十八話 晴海は茶色の巨大うさぎが欲しい
「でもこんなに上手いなら他のやつも取って欲しいなーなんて」
晴海が他の台を見ながら言う。
「ああ、それくらいなら…………なんとかやってみる」
問題ないとりんごが言おうとして台の中身に凍りついた。それは巨大な茶色のうさぎのぬいぐるみだった。これは行けるのか?確保できるのか?りんごの中を疑念と不安が渦巻いた。
眉を潜めながら台に付き百円を入れて操作する。巨大なせいで一回ではまともに移動しない、何百円も金と時間をかけることでようやく穴に落ちた。
「ふう、やれやれ」
りんごは疲れと達成感から額を拭う。
「ねえ、これ落ちてこないんだけど」
「なに?」
「あ、穴に行ってますけど胴体が引っかかってます!」
晴海に指摘され声を上げる。シャロンは状況を説明した。
「あたし店員呼んでくる!」
海女吏はそう言うと移動しスタッフにより巨大ぬいぐるみは回収された。




