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四百五十話 派手なナイトウェアはりんごは見なれない
晴海にはああ言ったがりんごがパジャマ代わりにしているのはそれほどではないが地味なスウェットなのだ。
それに引き換え彼女の目の前に広がるはパステルカラーでヒラヒラした華やかなものたちなのだ。
だが怖気付いてはまた馬鹿にされてしまう、彼女は勇気を出して歩み出す。だがその度に顔を歪める。
「大丈夫ですかリンゴ、顔色が悪いですが」
「別に大したことじゃない」
その顔は思わずシャロンに心配されてしまう。
「またまたー、見なれない服だから緊張してるんでしょー?」
「黙れ、殴るぞ」
「あー、こわーい」
晴海がまたからかうとりんごに睨まれてしまい軽く悲鳴を上げる。
「あんたまたやってるし」
海女吏は晴海に呆れる。
「だが少々苦手意識があるのは確かだ、どこかに見慣れたやつはないのか?」
りんごは苦い顔のまま歩き回る。




