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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十九章 三年生編
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四百三十六話 ヨモギとおはぎ


次は葉っぱのついたやつ、ヨモギというやつだ。葉っぱを取りかじる。んん、その甘さに目を見開いた。生地が厚くしっとりしてるせいであんこの甘みが他の和菓子より強烈に感じる。


もぐもぐ、ごくん。大分胃袋に来てきたな。よし、次はピンクの粒饅頭だ。食べてみると粒粒の独特の感触が広がった。というか甘い、粒もあんこもひたすら甘い、ピンクは淫乱というが和菓子にすると甘ったるいだけだな。


むう、そろそろ次がラストか。おはぎ、君に決めた。口に入れるとあんこの甘みが先に来て後から餅の淡白さが来た。これ、逆だな。普通ならあんこが後のはずだ。


だがいい、この逆がいいんだ。この他とは違う感じがレアだ、素晴らしい!うん、いいな。うむ、……………………………ぐえ。


「あらまあ、よく食べるわねぇ」


「葉月くんて意外と食いしん坊なのね」


清さんのお祖母さんと清さんが感心する。


「あ、すいません。色々あるんでつい………」


どうやら他の人も食べるということを忘れて食べ進めてしまったらしい。


「いいのよ、好きなだけで食べて」


「うむ、男子は食べ盛りなくらいがちょうどいい」


「ど、どうも………」


お祖母さんと客人の男の人に言われ恐縮してしまう。


「そうそう、遠慮なんてしなくていいのよ」


みかんは言いながらも大福やら饅頭を両手に複数持って食べていた。


「あんたは少しは遠慮なさいよ………」


アリエは俺の作ったおにぎりを食べながら呆れた。



公園からの帰り道、みかんが言った。


「今日は楽しかったわね」


「ああ」

「それなりにね」


俺とアリエは同意する。


俺はアリエに言った。


「悪かったな、デートらしいデートできなくて」


「いいわよ、あんたが楽しそうだったし」


「俺か。わりぃな俺ばっか楽しんで」


アリエが言うのは清さんのお祖母さんが出してくれた和菓子のことだ。そういや食べるのに夢中でアリエのことあまり見てなかっな。


「でも、ちゃんと綺麗なところに連れてってくれたってのは分かってるわよ」


「そう言われると少しはマシに思えるな」


アリエは後からフォローしてくれる。


「また行こうな」


「ええ」


アリエがはにかむと俺は胸の内が暖かくなった。

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