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四百三十一話茶会への誘い
「せっかくだし、あなた達もやってみない?」
清さんのお祖母さんが誘う。
「やるって茶道ですか?」
俺は聞き返す。
「そうよ、初めてでも教えるから大丈夫」
言われて視界を確認する。今まで意識しなかったが当然清さんとお祖母さん以外の客人もいるし先ほどの彷徨のせいで変な目で俺を見ている。本当に俺が混じって大丈夫なのか?
「みなさん、ちょっと元気な人ですが平気ですよね」
清さんが客人に呼びかけるとその人たちは肯定した。
「ふむ、客人は多い方が面白い」
「そうね、わたしも歓迎するわ」
流石大和撫子、いかついと思っていたおじさんおばあさんも形無しだ。
「あたしはパス、なんかつまんなそう」
みかんが言う。
「へいへい。じゃあ向こうで大人しくしてろ」
「お前はどうする?」
「やって、みようかしら」
アリエは緊張しながら承諾する。




