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四百二十九話 葉月とアリエよりも前の運命②
「あらこの子、ちょっと大丈夫かしら」
清さんのお祖母さんが困惑する。
「大丈夫よ。この子アリエちゃんのことがとても好きなだけだから」
清さんが説明してくれる。
「いや、あんたのせいでしょ!あんたが俺より前にアリエと運命で結ばれてるから困ってんだよ!」
「ごめんなさい、やっぱり言ってること分からないわ」
俺が清さんの肩を揺すると清さんにも困惑された。
「なに言ってるの葉月、こいつは基本すもも以外興味ないわよ」
だがアリエの言葉だはっとした。
「あ、そっか。じゃあいいや」
急に冷静になってきた。
「えっと、わたしに嫉妬してたのかしら?大丈夫よ、アリエちゃんは葉月くんのこと大好きだもの」
清さんがようやく俺の感情を察する。
「な、なに言ってるの!?あたしがこいつを大好きなんて、ほんとだからって言うんじゃないわよ!」
アリエが顔を赤くして叫ぶ。うん、俺も恥ずかしいわ。
「ごめんなさい、でも葉月くん困ってたみたいだから言っちゃったわ」
清さんが朗らかに謝る。




