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四百二十五話
仕方なく俺とアリエはみかんを間に置いて進むことにした。俺の隣でにひーと笑うみかんを見るとなにも言えなくなる。
「なあアリエ………ほんとにごめんな」
俺はムードが台無しになったため謝った。
「気にしてないわよ。今のこいつ見たらあたしもなにも言えないわ」
「ありがとな」
広間にテーブルとベンチを見つけそこに座ることにした。
「なんか気持ちいいー」
みかんが行儀悪く長椅子の一個に寝転がる。
「いい風だ」
初夏になり少し暑いが風のおかげであまりそれを感じない。
「なによそれ、かっこつけちゃって」
アリエが皮肉るがそこには笑みがあった。
「でも、悪くないだろ?」
「やめてよ恥ずかしい」
「そろそろ昼にするか?」
「なになに?お昼ご飯?」
俺が言うとみかんが興奮する。




