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四百二十三話 やめろお前ら!俺が死ぬ!俺の腕が死ぬ!
公園を進むと白以外の百合にも黄色や赤の百合もチラホラ混じった。
「きれいだな」
「ええ、本当に」
俺が感想を漏らすとアリエはさらに腕を絡めて来た。
「あ、あ、あ、あ……………」
みかんは俺たちの方を見るとゼンマイの切れたおもちゃのようになった。
「なんだよ、なんか変か?」
「なんなのよもう!なんなのお兄ちゃん達はー!」
みかんは叫ぶと走ってきて俺からアリエを引き剥がそうとした。
「ちょっとなにするのみかん!」
アリエはそうされまいと俺の腕を締め付ける。
「やめろお前ら!俺が死ぬ!俺の腕が死ぬ!」
すかさず俺は悲鳴を出した。
「いやよ!だってこいつあたしから葉月を取ろうとしてるのよ!」
アリエからは一歩間違えば昼ドラにありそうな台詞が来た。
「だってお兄ちゃんはあたしのものだもん!誰にも渡さない!」
みかんは子供のように喚く。




