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四百二十二話 御幸白百合公園
なんやかんやで目的地、御幸白百合公園に着いた。公園の外からでも名前の象徴である白い百合が見える。
「わー、きれーい」
みかんが歓声を上げる。
「なんだ、どこかと言えばここじゃない」
アリエの反応はよろしくない。
「知ってるのか?」
俺は聞いた。
「ええ、昔家族でよく来ていたもの」
「マジか、そりゃあ地元だから当然だよな。違うとこのが良かったかな」
どうやらここを選んだのは失敗ようだ。
「いいわよ。あんたと来るのは初めてだし」
「そっか、そりゃあ良かった」
「ちょっと二人ともー、遅いわよー」
みかんが公園の中で俺たちを呼ぶ。
「あいつ、いつの間にあんなとこに」
「もう、せっかちなんだから」
俺とアリエも中に入って百合の花園に入っていく。一面に染まった百合に俺たちは圧倒された。
アリエは歩きながらゆっくりと俺の側により腕を絡めてきた。
俺は少し恥ずかしくなり頬をかいた。だがこの恥ずかしさはどこか心地いいものを感じた。




