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四百十八話 三年目のゴールデンウィーク
「だからいいんじゃない?」
みかんがニヤァと邪悪な笑みを浮かべた。
「この悪魔が………」
俺はみかんに聞こえないよう言った。もはや彼女は小悪魔という可愛いものではない、ただの悪魔だ。
合流場所はカフェダムール、そこのが分かりやすいからだ。
「遅いわよあなた、てなんでみかんがいるのよ」
アリエは不機嫌になるとみかんの存在に疑問を持つ。
「こいつがどうしても聞かなくてな」
俺は眉を潜める。
「はあ?来るんじゃないわよ!さっさと帰りなさい!」
アリエはシッシッと手を振る。
「いやよ、こんな面白そうなことやめるわけないじゃない」
みかんは再び邪悪な笑みを浮かべた。
「この女………馬鹿にしてんの?」
アリエは顔をひくつかせる。
「まあまあ落ち着いて、みかんちゃんもいじわるやっちゃだめだよ?お家帰ろ?」
すももさんが優しく言う。
「むぅ」
みかんはここでようやく大人しくなる。




