418/594
四百十七話 三年目のゴールデンウィーク前④
「はっ…………」
だが俺は言葉ではなく息で答えた。十数年妹と連れ添って言えることがある、こういう場合まともに相手する方がおかしいとな。
「なにそれ、馬鹿にしてんの?」
みかんが不機嫌になる。だが構いやしない、挑発に乗る方が面倒になりそうだからだ。
「別に?相変わらずみかんさんはお洒落にこだわりますねって意味だよ」
俺は若干皮肉混じりで言った。下手に言わなければいいがどうもそう言ってしまう。
「やっぱり馬鹿にしてるー」
みかんが口を尖らせた。
★★★★★★★★★★★
ピクニック当日、家を出るとなぜかみかんがついてきた。
「なんでお前が来んだよ」
「いいでしょ別に」
「いや、これデートだから。お前は呼んでない」
「えー、でも面白そうじゃーん」
みかんが馬鹿にしてくる。だめだ、乗ってはいけない。口の端がヒクついてる気がするが乗るな。
「お前なあ、これは俺とあいつの二人きりのイベントなんだぞ?それにお前が来たら台無しじゃないか、分かるか?」
俺は優しく諭した。




