417/594
四百十六話 三年目のゴールデンウィーク前③
「で、どこに行くの?前行ったとこ?」
アリエが聞く。そういえば俺たちは前にアリアさんと山に行ったことがあったな。
「そうだな…………前に百合が綺麗な公園を見っけたんだ。そこに行こう」
「百合だと!まさか女と女が定期的に乳繰り合っているのか?!」
「そうなんですか!それは珍しいです!」
りんごが奇妙な反応をするとシャロンも乗っかった。
「二人とも、多分違うと思うよ」
すももさんが訂正した。
「えっと、百合っていうのは女の子同士が仲良くしてるとこじゃなくて花の方な」
俺は不安になって念を入れた。
「分かってるわよ、あの馬鹿共じゃあるまいし」
アリエは呆れ顔で言った。りんごめ、まさかあっちの気があるのか?思わず俺も同じ顔になってしまう。
★★★★★★★★★★
「ねえお兄ちゃん、ゴールデンウィークて何か予定ある?」
その夜、みかんもアリエと似たようなことを聞いた。
「ああ、アリエとピクニックに行ってくる」
「ピクニックぅ!?うわー、お兄ちゃんセンスなーい」
みかんは口元に手を置いて馬鹿にしてきた。うわ、うぜえ。




