四百十五話 三年目のゴールデンウィーク前②
「とりあえず休みの日と言えば…………ピクニックじゃね?」
俺は少し思案して言った。すると場の空気が凍った気がする。
「あ?俺変なこと言った?」
思わず戸惑いが言葉に出た。
「いや、もう少し雰囲気あるとこない?」
「そうだぞ。デートでピクニックってお前、家族の休日だろ」
「どうせなら遊園地とかに行きましょうよ」
口々に批判されてしまった。
「いいよもう、どうせ俺はデートの場所もまともに選べないしょーもない男だから………」
俺はあまりの批判ように頭を抱えてしまった。俺は悲しい。
「はあー…………別にいいわよピクニックでも」
当のアリエが許しをくれた。
「しゃー!ありがとう!なんか報われたー!嬉しい!」
俺は喜びのあまり天高くガッツポーズを取った。
「うわ、ちょろい」
「男ってなんでこうなんだろうな………」
すももさんの呆れとりんごの嘆きが聞こえるが気にしない。
「主、本当にいいんですか?」
シャロンが不安になってアリエに聞く。
「いいわよ、こいつの選んだとこなんだし」
俺は涙が出そうになった。俺の彼女、本当優しい。




