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四百三話
「アリエちゃんはその人たちのこと嫌いなの?」
その邪険な物言いに夕が聞いた。
「嫌いっていうか好きじゃないっていうか…………」
アリエは言いづらくどっちとも取れない返事をする。
「嫌いなんだ」
みかんが察した。
「嫌いではないわよ。ただ好きじゃないってだけ」
アリエは今度は強くどちらでもないと主張する。
「要はただの他人てことかな」
「そういうこと」
みかんが言い直すとそれを肯定した。
「でもそのお友達がどんな人か気になるね」
夕が言うとみかんがクワッと目を見開きながらそちらを向きうんうんとゆっくり頷く。
「え、なにその空気?あたしその子達とはただの他人て言ったよね?」
自分の発言とは裏腹に二人が反応していてアリエは戸惑ってしまう。




