三百九十三話 下僕はメイドとは違うのよ
「下僕?メイドと何が違うのよ」
理沙さんはアリエの言葉が分からない。
「正式じゃない主従関係てことだよ」
「余計分からないんですが。なんでそんなのがいるんですか」
俺が説明するが理解されない。
「あたしが下僕にしたいからしてるだけよ。さあ下僕、あたしとこいつらに紅茶を出しなさい!」
「アイアイサー!」
アリエはシャロンにビシッと指をつきつけて命じるとシャロンはいい声で敬礼してキッチンに向かう。
「普通に注文しただけじゃん」
美希ちゃんが拍子抜けするが他の三人と一緒に席に座る。
「あ」
シャロンが何かに気づき戻ってくる。
「主、カフェモカではなくてよろしいのですか?」
そう言えばアリエはいつもカフェモカを頼んでいたな。
「はあ?カフェモカぁ?なに言ってるのよ、あたしはいつも紅茶でしょ、紅茶持ってきなさいよ」
だがアリエは何故か嘘をついた。見栄というやつか?
「はぁー?分かりました」
シャロンは首を傾げたがすぐにキッチンに戻った。
「紅茶、お待ちどおさまでーす!」
「ごくろう」
そしてさもいつもやるように紅茶を口に含んだ。




