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三百七十話 アリエのメイド姿を見に来た
クラスメイトが店の外で待ち構えてるとも知らずアリエは休憩室に入る。
「おはよ、アリエちゃん」
「おはよう」
バイト仲間の梨子と挨拶を交わす。
「ねえ、クラスメイトがバイト先に来るってどう思う?」
アリエは恐る恐る梨子に言った。
「みかんちゃんとか夕ちゃんがたまに来るけどどうしたの?」
「いや、えっと………」
アリエは言葉を濁す。梨子にとってクラスメイトがバイト先に来るなど日常茶飯事、疑問に思う方がおかしいのだ。
「あ、分かった!アリエちゃんのクラスメイトがここに来たがってるけど恥ずかしいんでしょー?違う?」
梨子がからかう。
「やめてよそういうの、本当に来そうなんだから」
アリエは心底嫌そうに言った。
「でも、どこがアリエちゃんのお店か知らきゃ来れないし大丈夫だよ」
「だといいけど」
梨子が言うがアリエの不安は拭えなかった。




