三百六十五話 アリエのバイト話③
「でもアリエたんのメイド姿とか見てみたいなあ」
美佳は脳裏にアリエがメイド服を着た姿を思い浮かべた。
「わたし達は見たことあるわよ」
「可愛かったなぁ」
理沙が言うと美希が当時を思い出してうっとりする。
「えー、二人は見たことあるのー。ずるいなー」
美佳が羨ましくなる。
「前に見た時は中等部の文化祭の時だったわよね」
「あの時はお嬢様だからメイド服たくさんあるかと思ったけど本当はお家がメイド喫茶だったからなのね」
理沙はアリエのメイド姿を見た時を挙げ美希は当時の状況に新たな理解を得る。
「そういうの言うんじゃないわよ、恥ずかしい」
アリエが顔を片手で覆う。
「いいなー、あたしもアリエたんのメイド姿見てみたーい」
美佳が黄色い声を上げる。
「見せないわよ、見せないし着ないわよ」
アリエは顔をしかめて否定する。
「写真あるけど見る?」
理沙がスマートフォンでアリエのメイド姿の写真を美佳に見せる。
件の文化祭で給仕をしている際のものだ。撮影してる方には気づいておらず自然体の姿である。
「あー、可愛いー!」
美佳はまた黄色い声を上げる。




