三百六十話 葉月とみかんとの一泊の翌日②
「あー、妹が兄を好きだったらどうする?恋愛的な意味で」
アリエは迷いながら言った。
「え、どこの漫画?やだなぁ、そんなのあるわけないじゃーん」
梨子はカラカラ笑いながら否定した。
「で、ですよねえ」
アリエは思わず敬語になってしまった。これは本当のことを言うのは危険そうだ。
「ていうのは冗談で、葉月がみかんにばっか構ってあたしのことほったかしにしてるのよー」
仕方なく話を変えることにした。
「うわー、シスコンかー。気持ち悪い彼氏さん、引くわー、これは引くよ。しかも彼女ほっておくなんてひどいなー」
梨子の中で葉月がシスコンの気持ち悪い男になってしまった。
ごめんとアリエは心の中で葉月に謝った。真実を隠すためには時に嘘が必要なのだ。葉月はその犠牲になったのである。
「でもお風呂と布団は一緒だったから大丈夫かな………あはは」
アリエがから笑いすると梨子がプシューと鼻血を出して倒れた。
「ちょっと梨子!?大丈夫!?ねえ、ティッシュいるわよね?!」
アリエは慌ててて梨子に駆け寄る。
「彼氏と同じお風呂、同じ布団………やべえ、興奮する」
梨子はアリエと葉月がそうする光景を思い浮かべ興奮していた。




