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三百五十八話 アリエとの一泊の翌日 みかん編
「はあ…………」
甘処庵々にてみかんがため息をつく。
「どうしたのみかん?さっきからため息ばかりついて」
あまりに多くものため息をつくものだから夕が心配する。
「ありがとう。でも人に言えることじゃないし」
みかんは憂鬱になる。
「それでも、友達が辛そうにしてるのは見過ごせないよ」
夕はみかんの憂鬱を跳ね除けんと接する。
「夕………実はあたし、お兄ちゃんが好きなの」
夕はどんな恐ろしい答えが来るかと身構えたがそんなことはなく拍子抜けした。
「ふふっ、兄妹仲が良くていいわね」
そして朗らかに笑った。
「そうじゃなくて!」
みかんが腕を振って否定すると夕は首を傾げた。
「恋愛として好きなの………」
みかんは頬を染めた。
「それはまあ、応援します!」
夕はみかんの不安を気にせず励ます。
「ええ!兄妹の恋愛だよ?普通おかしくない?」
みかんは夕から普通に応援され困惑する。
「たとえ禁断の恋でも、恋は恋!友達なら応援するよ!」
夕は両手を合わせて歓声を送る。
「そ、そう………」




