三百五十五話 今日は彼女と寝かせて
「さてと、今日はもう遅いし寝るか」
俺は時計を見るとアリエとみかんに言った。
「うん」
「そうね、行きましょうか」
さっきまで暗かったり真面目だった二人が笑顔になった。
「一応布団はもう一個あるけどどうする?」
俺はアリエに聞いた。こう聞いているが正直一緒と布団で寝たいというのが願望だ。
「なに聞いてるのよ。もちろん一緒に寝るに決まってるじゃない」
アリエが当然とふんぞり返る。
その答えに俺は自然とガッツポーズが出来ていた。
「えー、今日はあたしと寝ようよー」
だがみかんが異を唱えた。
「え、それこそえーだろ。せっかくアリエが来てるのに一緒に寝ないとかおかしいだろ」
「だって、いつも一緒に寝てるじゃん」
言い返すとあまりアリエに聞かれたくない台詞が来た。
「葉月あんた………」
アリエに軽蔑の目で見られる。風呂は未遂だがこっちはいつものことだ。軽蔑のレベルが強い。
「いやほら、風呂には入れないから代わりに布団くらいは一緒にて思ってな、あはは………」
言い訳が言い訳にすらならなかった。




