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三百五十二話 入浴後の葉月とアリエ
「ちょっとしっかりしなさいよ葉月ー」
入浴後、俺はアリエに団扇で扇がれていた。
「惚れた女のおっぱいだぞ?そんなの見て興奮しないわけないだろ」
俺は虚ろな声で言った。
今のアリエは以前とは違う下半身がフリルだらけの豪奢なワンピースを寝間着にしていた。 こいつは相変わらずフリルが好きだな。
「おっぱいてまた………はしたないからやめなさいよ」
「お、おう……」
珍しく真面目に怒られてしまった。お嬢様だけあってこういうとこはしっかりしてるんだな。
「なに、お兄ちゃんアリエのおっぱい見たのー?やらしいねぇ」
みかんがニヤニヤしながら近づく。
うわー、気持ちわるっ。風呂でのぼせた熱が一気に冷めたわ。
「なに、あたし悪いことした?」
みかんは俺の顔に戸惑った。
「さっき葉月にはしたないて言ったばっかなんだけど」
そう言うアリエの目もひどく冷めていただろう。そう思わせる声だった。
「ごめん………」
その声にみかんも謝るしかなかった。




