三百四十七話 みかんの小悪魔話術 / アリエは葉月の入浴に向かう
「お兄ちゃーん、お風呂空いたよー」
先に入浴していたみかんが現れる。
「だってさ、どうするアリエ?」
俺はアリエに聞いた。
「あたしは客だし、後でいいわよ」
「いいのかよ」
「いいから行って来なさいよ」
「あいよ」
俺は遠慮したが押しきられてしまった。
☆☆☆☆☆☆
葉月が風呂場に向かうとみかんがアリエに言った。
「ねえ、せっかくだから一緒に入っちゃえば?」
「はあ?!結婚もしてないのに男と同じ風呂入ったらお姉ちゃんに怒られるわよ!」
アリエはありえないことだと怒る。
「でもアリアさんはここにはいないし、言わなきゃバレないよ?」
みかんは悪戯っぽく言う。
「でもそんなの恥ずかしいし………」
アリエは顔を赤くする。姉の目抜きにもそれは彼女にとって恥ずかしい行為だった。
「だったらお兄ちゃんのこと、貰っちゃうよ?」
「は?なに言ってんの。あんたも葉月の妹でしょ?妹が兄を貰うってなに言ってんのよ」
アリエはわけが分からなくなった。
「あたしが義理の妹って言ったらどうする?」
みかんの目が小悪魔になる。
義理の妹、つまりは法的には問題だが倫理的には何もないということである。
「わーかったわよ!行けばいいんでしょ行けば!」
アリエは苛立って着替えを取っていく。




