三百四十話 アリエの高校の友達③
「どうです星宝さん?わたくしに感謝して欲しいですわ」
天子が上から目線で言う。
それがアリエの感に障った。
「なにそれ、恩着せがましいんだけど。だったら助けないで欲しかったんだけど」
「きー!なんなのその態度は!せっかく助けてあげたなのになんて恩知らずなの!もういいですわ、今度同じことがあっても助けてあげませんわよ!」
天子は地団駄を踏んで去っていく。
アリエはもう来るな!と念を送った。
「大丈夫?アリエちゃん」
クラスメイトの一人がアリエに話しかける。
「問題ないわよ、ちょっと疲れたけど」
ナチュラルな態度にアリエの表情が緩む。
「美佳ちゃんも、天上院さんの言い方はきついけど女の子同士だからっておっぱい揉んだら駄目だよ」
   
また別のクラスメイトが美佳に言う。
「はーい」
「ふっ、ははは………」
それを見てアリエが笑った。
「なにアリエ、どうかしたの?」
「別に、なんでもないわよ」
大したことではない、アリエはそれを口にしなかった。
「やだなあ、気になるじゃーん。話してよー」
  
「いやよ、めんどくさい」
「だめ、話してー」
美佳はアリエの肩を掴んでじゃれつく。
そう、話すことではないのだ。姉に言われてここにはいないのではと悩んでいたアリエの友人がいたことは。
 




