三百三十八話 アリエの高校の友達
「だってあの子はみかんの学校の子なんでしょ。自分の学校に友達はいるの?」
アリエは自分の高校にいると姉のこの言葉を思い出した。
その時はいると返したが時折本当にこの場所にも呼べる人はいるのかという考えがよぎるのだ。
「アーリッエ!」
クラスメイトの美佳がアリエに抱きつく。
「美佳ぁ、急に抱きつかなくんじゃないわよー」
アリエが悲鳴を返す。
「なに恥ずかしがってるのよー、わたしとアリエの仲じゃなーい」
そう言いながら美佳は指でリズムを取りながらアリエの胸まで手を移動させる。
「な、なによ?またやるの?」
アリエが不安になる。
「そうだよー、こんなけしからんもの持っちゃって。触らずにはいられないよー」
美佳はいやらしい顔でアリエの胸を揉みしだく。
「ひゃっ、うう………、けしからんてあなたどこの親父よ」
アリエは呻きながら美佳を睨む。
「親父じゃなくて友達。親父だったら今ごろアリエちゃんに引っぱたかれてるよー」
美佳はアリエの胸を揉むのをやめて優しく言う。
実際アリエが見知らぬ男に同じことをされたら恐怖で声も上がらないだろう。しかしそれを言うとプライドに関わるのでアリエ本人はそう言わなかった。




