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三百二十三話 アリエと梨子とメイド喫茶スターと②
「あんたねえ、よくもあたしの親友の店をけなしてくれたわねぇ。覚悟は出来てるんでしょうねぇ」
「え、なに?みかんちゃんから聞いたの?やだなぁ、だって本当に地味だったんだから仕方ないじゃない」
梨子はアリエに問い詰められても夕への発言が悪いとは思わない。
「それはまあ………」
「納得しちゃうんだ」
アリエが納得して梨子の胸ぐらから手を離すとみかんが驚く。
「でもよくここが分かったわね」
「それこそやめてよぉ、たまたまよたまたま。みかんちゃんのお兄さんのお店の近く歩いてたらお洒落なお店見っけたの」
梨子は可愛いらしい笑顔で手を振った。
だがアリエにはそれがあざとく映った。
「まあいいわ、コーヒーでも飲んでいきなさい」
だが今度は丁重に扱うことにした。
「えー、コーヒー?コーヒーはなぁ」
梨子は口が進まない。




