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三百十七話 みかんとバイトとその前に②
放課後、俺やりんご達はみかん達を校門で迎えた。
「よっ、今日も俺の店か?」
「お前の店じゃない!」
みかん達に話しかけたところでりんごに突っ込まれた。慣れ過ぎて自分の店だと思ってしまった。
「ううん、今日は夕のお店に行くんだ」
「浮気か」
「う、浮気じゃありません!そもそもみかんもわたしも葉月さんと付き合ってなんかいません!」
「そうだよな、すまんすまん」
夕さんが盛大に叫んできた。
「お前姉貴みたいになってたぞ」
「まさか」
「自分の店に来ないから浮気とかすももさんが言いそうな台詞じゃん」
「ちょっと気持ち悪いです」
りんごどころか新井やシャロンにまで言われてしまった。く、なんか屈辱…………。
「わたし、甘処行くの初めてなんです!」
梨子ちゃんが興奮する。
「あそこは和風の店だからな、喫茶店と違った楽しみ方が出来る。期待してろよ」
「はい」
「なんで夕の店までお前の店みたいに言うんだ。そっちは働いてすらないだろ」
「たまに行ってるんだから味の保証は出来るだろ」
俺はりんごに親指を立てる。
「まあそうだが………」




