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三百十六話 みかんとバイトとその前に
「そうよ!バイトよバイト!」
学校でみかんは梨子と夕に言った。
「バイトがどうかしたの?」
「もしかして、みかんもバイトしたいの?」
梨子は分からなかったが夕はなんとなくその意図を察した。
「そうだよ!わたし達高校生なんだからバイトしようよ!」
みかんが机をバンと叩いて主張する。
「バイトかー。きっとおしゃれな喫茶店とかレストランで働けたら素敵だよねー」
梨子はまだ見ぬバイトのイメージにうっとりする。
「わたしは家の手伝いがあるのでアルバイトとかはちょっとー」
夕は逆に遠慮する。
「家の手伝い?」
「うん、わたしの家甘処やってるの」
「へえ、行ってみたいー。放課後に行こうよ」
梨子が乗り乗りになる。
「いいですよ、行きましょう」
夕は梨子の言葉を承諾する。
「そこでバイトするてのもありかもしれないわね」
みかんが人差し指を立てて言う。
「それはおばあさんに聞いてみないとですね」




