三百五話 フルーツシスターズ結成!
「フルーツ、シスターズ?」
梨子ちゃんが首を傾げる。
「勝手に混ぜるな、姉妹はあたしと姉貴で充分だ」
りんごが嫌がる。
「えー、でもやろうよ」
「やるてなにを?」
「こうシュバッ、シュバッて感じで」
すももさんが細かく移動しながら四人分ポーズをとる。
「どこの戦隊だ」
「プリキュアですかね」
俺とシャロンはポーズを分析する。
「やらないからな」
「かっこいいです」
りんごが拒否するが梨子ちゃんは魅力的に見えたようだ。
「なに言ってんのよ、そんなダサいポーズやらないわよ」
みかんも同じ答えなようだ。
「やるならこうでなきゃ」
そして中二っぽいポーズをとる。
「そっちかよ………」
実はみかんもノリノリなことに俺は呆れた。
「すもも!」
すももさんが名乗りと共に右手を横に広げて可愛いく見せる。もうこの人そんな歳じゃないんだがな。
「みかん!」
みかんは右手で片目を隠して左手を挙げた。中学生はもう終わったぞ。
「りんご」
りんごは呻きながら右肘を直角にして力強く見せる。羞恥心のせいで逆に浮いてるぞ。
「櫛枝!え、櫛枝?」
梨子ちゃんが左手を胸に右手を前にした清らかに見せる。そうだな、下の名前ではないんだな。
『わたし達、フルーツシスターズ!』
四人揃って叫ぶ。おおー、なんな後光が差してそうは叫びだ。
その声に俺や常連の人達は思わず拍手を返してしまう。




