300/594
二百九十九話 オープンキャンパスのメイド喫茶スター③
料理を注文し先に来たコーヒーを飲む。
「甘くない」
「美味しい」
「お兄ちゃんこれ飲めるよ、コーヒーなのに苦くないよ!すっきりしてる!」
思わず呟いた。
家の近所にあるメイド喫茶スターが出すブレンドは甘く出来ていたがこちらはほどよい苦味を醸し出していた。だが苦味の中にもすっきりしたまろやかさがある。
「当然よ、こっちはメイド喫茶より本格喫茶寄りなんだから」
アリアさんが胸を張る。
「そこまでやるならメイド喫茶の看板ているのか?」
りんごが疑問を持つ。
「うるさいわね、おばあ様命令よ」
アリアさんが顔を歪めてお手上げのポーズを取る。
「なら仕方ないわね」
アリエが納得する。
身内と言えど上の者には逆らえないのが性か。




