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二百九十八話 オープンキャンパスのメイド喫茶スター②
「く、ご主人様ご案内します!」
アリアさんが屈辱だという顔になった。
メニューを渡され中を見る。オムライスにハンバーグ、スパゲッティ、シチュー、エトセトラ………。
「メイドが名前にない!」
俺は困惑に叫んだ。メイド喫茶なのにメニューの名前にメイドがないとかどうかしてるぞ。
「だってここ大学だもの、そんないかがわしいサービスないわよ」
アリアさんが答える。
「でも店の名前………」
みかんが店の外を指さす。外というかメイド喫茶スターの看板だ。
「看板なんて飾りよ、あとこの服も飾りよ」
アリアさんがメイド服を摘んだ。
「衣装の無駄遣いだな」
りんごが呆れる。
「無駄遣いで悪かったわね、これでもカフェとしては優秀なのよ」
「ふーん、なら見せてもらおうじゃない」
アリエが試すような目をする。




