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二百九十二話 オープンキャンパスに行こう
今日俺はS校、サイフォン大学のオープンキャンパスに行くことになった。サイフォンとはフラスコで気圧を変えて煎れるコーヒーのことだろう。
一緒にいるのはりんごとアリエとみかんだ。
「なあ、りんごはともかくなんでお前らまで来るんだよ」
大学に行くためのバス停で俺はアリエとみかんに聞いた。
「だって葉月が行くかもしれない学校なのよ、気にならない方がおかしいわよ」
とアリエ。
「まあ、それは分かるが………」
「それに、お兄ちゃんが迷子になるかもしれないと思って」
とはみかんの言葉だ。
「俺は子供か!大学の見学で迷子なんかにならねえよ」
俺は反論した。
「どうかなあ?あの大学は結構広いて噂だよ、お兄ちゃんでも迷うんじゃないかなぁ?」
みかんが馬鹿にしてくる。
「広いねえ、広いってどのくらいなんだか」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そして俺たちはサイフォン大学に到着した。




