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二百八十九話 大学受験の話
「なあ君嶋ぁ、大学どうするよ」
学校で新井が言う。
高校二年の二月も終わりに差し掛かっている、ホームルームでもよく大学の志望校を考えるよう言われている。
「とりあえず普通のM校と偏差値の高いA校、料理学校のS校だな」
俺は無難な選択肢を挙げた。
「青山とかは受けないのかい?」
マイクが割り込んできた。
「MARCHとか難易度高すぎだろ、お前が行ったらどうだよ」
俺はマイクに言い返した。
「考えておくよ」
「つうか君嶋お前、料理学校てレストランでもやる気かよ」
新井が話題を俺の方に戻す。
「まあ、そんなとこ。そういうお前はどこ受けるんだよ」
俺は新井に聞き返した。
「まあそこはどーんとB校かな」
「やめろぉ!そこはA校より偏差値のある高難易度校だぞ!」
新井の無茶に俺は思わず悲鳴を上げた。
「いやー、あと一年あるしどうにかなんだろ」
新井は笑って返した。
「まあ、頑張れ」




