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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十八章 二年目の冬編
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二百八十八話 二年目のバレンタイン③



「ハッピーバレンタイン、今年もチョコレートを持ってきたわ」


「いらっしゃいアリアちゃん」


すももさんがアリアさんを出迎える。


今日のアリアさんはダンボールを抱えていた。


「なんだそのダンボールは」


りんごがアリアさんに聞く。


「チョコレートよ」


「は?」


その返答にりんごは惚けた返事をする。


「もしかしてその中全部がチョコレートですか!?」


シャロンが手を重ねて興奮する。


「ええ、そうよ」


「わあ!すごいですー!くださいください!」


返答を聞くとシャロンは益々興奮してアリアさんにチョコレートを要求する。


「はいはい、慌てないの」


アリアさんがダンボールの中からチョコレートを差し出す。


「ありがとうございますー」


「仕事中には食べるんじゃないよ」


「はーい」


絹江さんが釘を指す。


「はい、すもも」


「ありがとアリアちゃん」


「はい」


「どうも」


アリアさんは俺たちにもチョコレートを配っていく。去年と同じ高級ブランドのチョコレートだった。



「ハローバレンタイーン、みんな元気かーい」


「いらっしゃい」


マイクがハローエブリバディとバレンタインを混ぜた挨拶で現れた。


「あ、わ、我が女神………」


マイクはアリアさんに恐る恐る近づく。


「あなたも食べる?」


「あ、ありがとうございます!」


そしてアリアさんからチョコレートを受け取る。


するとマイクは周囲を見渡す。そう、俺たちの手にも同じチョコレートがある。


「手作りじゃ、ない。しかもこれって………義理チョコじゃないかな?」


本命チョコレートを期待していたマイクはそうでないと気づいて目を泳がせる。


「どんまいマイク。ま、俺はすももさんの手作り貰ったけどな」


新井がマイクの肩に手をやってもう片方の親指を立てる。


「ま、まさかこの僕が本命チョコレートを貰えないなんて。あんまりだー!」


マイクは絶望に頭を抱えて店を出ていった。


お前もその口か。


「もう1枚あげた方が良かったかしら」


「そういう問題じゃないわよ」


アリアさんのデリカシーのない言葉はアリエに突っ込まれた。

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