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二百八十話 清と夕とメイド喫茶スターと④
「あたしが先に来て出迎えたんだけどこの二人、この格好見るなり自分達も着てみたいとか言ったのよ」
アリエが事情を話し始める。
「で、押されて貸したて感じ?」
俺は結果を予想する。
「そんなところよ」
「どう、似合うでしょー」
「褒めてくれてもいいんですよ」
すももさんとシャロンが調子良さげにメイド服を見せつける。
「ええ、とっても似合ってるわ」
「はい」
清さんと夕さんが改めて二人の姿を褒める。
「葉月くんもそう思うでしょ?」
すももさんは今度は俺に言葉を向けてきた。
シャロンも期待する目で俺を見ている。
俺はアリエを見た。こいつの前で他の女性を褒めるのはいかがなものか、うーむ…………。
「いいわよ、あたしなんか気にしなくても。好きにすれば?」
当の本人はこう言うがどう言おうか…………。




