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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十八章 二年目の冬編
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二百七十四話 夕(ゆうべ)とカフェダムール⑥



「なにって砂糖を………」


「コーヒーにいきなり砂糖なんて邪道ですよ!まずはその苦味を楽しんでから砂糖を足していくのが通なんです」


夕さんが主張する。


「そうなの?知らなかったわー」


清さんが驚く。


「違いますよ、そんなわけないじゃないですか!そんなことしたら苦すぎて清さん飲めないですよ」


俺は思わず割って入った。


「え、そうなんですか?」


夕さんが目を丸くする。


「そうだよ。だいたい、そんな飲み方じゃ初心者がコーヒー苦手になって敬遠しますよ」


「はは、ですよね」


「そうなの、でも砂糖はちょっとだけにしようかしら」


清さんがスプーンから砂糖を減らしてコーヒーに入れる。


そしてそれを混ぜて口にする。


「ちょっと苦いけど………美味しいわ」


清さんが柔らかく微笑む。


「ああっ!清ちゃんがコーヒー飲んでる!すごい!」


すももさんが食いついた。


「ふふっ、わたしも驚いたわ」


「じゃあ、これからもコーヒー飲んでくれるんだね」


「ええ、それもいいかもしれないわ」


「やったぁ!またうちのコーヒーのファンが増えたよ!」


すももさんが元気にはしゃぐ。


「感激ですー」


シャロンが共鳴する。


確かにこれは素晴らしいことだ。店には来てもコーヒーを飲まなかった人がコーヒーを飲むようになるというのも店の常連になるのと同じくらいのすごいことだ。


絹江さんを見るといつもの仏頂面のままだが口の端がほんの少しだけ上がっていた。

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