二百六十五話 二年目のクリスマス⑧
アリアさんとアリエはすももさんからエプロンを受け取ってまとう。
「お、おおお、おお?」
アリエの姿を見て俺は思わず声を上げた。
「我が主、美しいです!」
シャロンも感嘆の声を上げる。
「なによ、なにか変?」
急に声を出したものだからアリエが驚いてしまう。
「いや、いんじゃないの?お前の店のメイド衣装もいいけどシンプルなこっちもいんじゃないの?」
俺は饒舌にアリエの服装を褒めた。
「あ、ありがと。これくらいでいいならいつでもやってあげたわよ」
アリエが顔を赤くする。
「アリアちゃんも決まってるね」
すももさんはアリアさんを褒める。
「ま、当然わたしだもの。どんな服を着ても似合うわ」
アリアさんは動じずにふんぞり返った。
なんだろう、アリエのお姉さんなのに全然可愛くない。
「銀髪美少女ウェイトレスに加えて金髪美女と美少女のウェイトレス、これは決まったな」
新井がなぜかピシっと指をつきつけて言う。
「え、なにが?」
「ちょっと意味分かんない」
近くにいる飯山と山崎が困惑する。
「いや、とにかくこれで店に華が湧くってもんよ!」
「あ、うん」
「そうだな」
新井は一瞬言葉に詰まった。
さては深く考えてなかったな。




