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二百五十九話 二年目のクリスマス
今日はクリスマス、なのでチキンやイチゴのケーキがやたら売れている。チキンは普段売らないので期間限定メニューだ。
「ふむ、たまにはケーキもいいもんじゃ」
常連の一護じいさんも満足にイチゴのケーキを食べていく。
ただしこれはホールケーキまるごとである。たまにはというがこれは食べ過ぎである。
しかもこの男、たまにと言っているが来る度にイチゴのショートケーキを食べている。全くもってたまにではない。
「ねえねえ母さん、今日はクリスマスだからたくさんケーキ食べていいよね?」
同じ常連の美結ちゃんが母親の礼子さんに言う。
「駄目よ、太ったらどうするのよ」
だが礼子さんはそれを許さない。
子供相手に体型を気にするとは、鬼か。
「大丈夫、子供だからこんなことでは太らないよ」
父親の雅之さんが爽やかに親指を立てる。
「ええ、そうかしら………」
礼子さんはだが納得しない。
「いいからいいから。美結、好きに食べていいよ」
「ありがとうお父さん!」
クリスマスにもこの家族は楽しそうでなによりだ。




