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二百五十四話
アリアさんがカフェモカを口に含む。
「冬のカフェモカもいいものね」
アリアさんは感慨深くなる。寒い日のコーヒーやカフェモカというのはこういう気分にさせでくれるらしい。
「ハロウ、エブリバディ!」
今度はマイクが現れた。そして首を傾げる。
「おや、今日は麗しの女神だけかい?」
「その呼び方気持ち悪いんだけど。いい加減やめてくれる?」
アリアさんがさぞ嫌な顔をする。
会ってから散々その名前で呼ばれてはさぞ嫌な気分だろう。
「すいません。では、美しいアリアさんと」
マイクが呼び方を変える。
「それも気持ち悪い、アリアでいいわよ」
「はは、それはご無体な。美しい人を美しいと言わずどうするのです」
「美しいだなんて、褒められてもなにも出ないわよ」
アリアさんが顔を赤くした。
「ところでお二方は?いや、他のお客さんもいないみたいだけど………」
マイクが周りを見渡す。




