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二百四十六話 アリエとシャロン②
「主と下僕って、親友にはなれないんですね」
「なに言ってるのよ。そんなの決まってるじゃない」
アリエが当たり前のように言う。
「アリエにとってわたしは親友じゃなくて下僕なんですね」
シャロンの言葉はまるで非難するようだった。
「気にいらないって言うの?」
「わたしは………あなたの道具なんかじゃない!」
シャロンが珍しく怒った。
そんな態度に俺やみかん達は目を丸くした。
「あなたはわたしの下僕、言ったはずよ」
アリエは眉を潜めながらも態度を変えない。
「もういい、あなたなんか知らない!」
シャロンは怒って店を出ていく。
「ちょっとシャロンちゃん!?」
すももさんが彼女を追って消える。
「おいアリエ……」
俺は原因のアリエに非難の目を向ける。
「あたしも知らないわよ、あんなやつ………」
だが彼女は見向きもしない。




