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二百四十一話 すももとりんごは両親の墓前にて夢を誓う
次の日、すももとりんごは両親の墓参りに来た。花を添え、線香を立てる。
「父さん、母さん、遅れてごめん。やっと二人の墓参り出来たよ」
桶から水を掬うとおもむろに墓石にかけていく。
そして神妙な気持ちで手を合わせる。
「あたし達、二人の店継いでもいいかな」
「二人はいつも冗談だって笑ってたけどあれ本気なんだ、だから………」
二人で墓前にて両親に懇願する。
「二人のお店、継がせて!」
「二人のお店、継がせてくれ!」
そして揃って叫んだ。
「これで許してくれたかな?」
りんごが聞く。
「さあね、本人じゃないから分かんないよ」
「おい、それはないだろう」
「冗談だよ、多分許してくれたんじゃない。だから頑張ろっ」
すももはりんごを励ます。
「ああ」
「そのためにも修行しないとね。おばあちゃんのお店じゃなくて外のお店で」
「ああ」
二人は夢のために新たな決意をしたのだった。




