二百三十七話 アリエの別荘⑯(夜)
食事の後また海で遊んだ俺たちは豪華な夕飯を食べた。普段じゃありえないくらいの豪華さに驚いたが味は完璧だった、悪くない。毎日食べたら飽きそうだが。
今は風呂に入りベッドでゆっくりしている。
「葉月ー、いるー?」
「おう」
「あたしもいるわよ」
みかんと返事をする。
部屋に現れたのはみかんだ。その寝間着は白いオフショルダーの膝上までの丈のワンピースに同じ白のショートパンツだった。
「あ、アリエのパジャマかわいー」
それを見てみかんが歓喜の声を上げた。
「お前、去年とパジャマ変えたんだな」
俺もアリエに言った。去年俺の父方の実家に行った時は黄色の膝丈ワンピースだったはずだ。
「せっかくの別荘でお泊まり回なんだからパジャマぐらい変えるわよ」
さも当然とアリエが答える。
「でも似合ってるぞ」
「ありがと」
アリエが照れる。まあ、俺の彼女だから何着ようと似合うんだがな。同じやつだと慣れちゃうから新しいのにした方が新鮮でよかったけどな。
「やっぱあたし、部屋別にした方がよかったかな」
みかんが目を逸らしながら言った。
惚気けてしまったがまあいい、些細なことだ。




