二百三十三話 アリエの別荘⑮(バーベキュー)
そろそろ焼きあがったと見たところで皿に肉と野菜を盛る。
肉も野菜もいたって普通だ、というかバーベキューなど実家で食べ飽きた!
「あんま楽しくなさそうね」
アリエが俺を見て言う。
「まあな」
俺は力なく答える。
「せっかくあたしが用意してあげたのにどういうつもりよ」
アリエは怒って言う。
「わりぃ」
俺は謝ることしか出来ない。
「ごめんねぇ、あたし達家でいつもバーベキューやってるから飽きちゃったのよ」
みかんが言う。
「そういう問題?それに、家でやるのとここであたし達とやるのじゃ違うでしょ」
アリエが串に刺した具材を向けながら言う。
「そうだぜ。この連中でバーベキューなんて滅多にやれないぜ。だからな、楽しもうぜ」
新井が俺の背中を叩く。
「ふっ、それもそうだな」
笑みが零れた俺は周りを見る。みかんは昔からだが新井にアリエ、アリアさん、清さんや夕さん、マイクにシャロン、こんなにたくさんの仲間とバーベキューをするなんて今までなかった。昔の俺じゃ考えられなかったかもな。
こういうバーベキューも悪くない。




