二百二十九話 アリエの別荘⑩(海への誘い)
「あーあ、俺がちょっと目を離した隙に悪化させやがって」
新井が呆れる。なるほど、こいつがこんなんだから俺たちを呼んだのか。
「お、やっとみんな来た。ところでみかんちゃんはいないのかい?」
マイクが言う。
「いないよ、あいつは夏休みの宿題が全然終わってないからな」
俺はみかんがいない理由を話した。
「それは仕方ない、では行こうか」
そして俺たちは星宝家のプライベートビーチに来た。
「いやー、ここ本当にプライベートビーチなんだな」
俺はその光景を見ながら感慨深く言った。
「なに言ってんのよ、星宝家にはこれくらい当然よ」
アリエが背中を叩きながら言う。
「で、隣がアリエとあなたが会った一般のビーチ」
アリアさんが向こうのビーチを指した。
「ちょっと!それは言わないでよ!」
アリエが怒って言う。まあこいつにとって迷子になって泣いたなんて黒歴史だもんな。
「道理で会えたわけだ」
俺は衝撃の事実に驚いた。
「なる、ほど。アリエちゃんはここから一般のビーチに紛れ込み、迷子になったところを葉月くんに保護されたってところかな」
マイクが推測する。




