229/594
二百二十六話 アリエの別荘⑥
「ちょっとちょっとー!なにやってるのよー!そういうのはまだ早いって言ったでしょ!」
アリアさんが扉を勢いよく開けて叫んだ。
「うわ、目ざといなこのお姉さん」
「目ざとくて悪かったわね」
アリアさんが目をギラつかさせた。
「耳まですごい」
「ほんとお姉ちゃんは硬いわねぇ、これくらいいいじゃない」
アリエが言う。
「よくないわよ!こういうのは節度を持ってやってもらわなきゃ」
「因みにあたしも自分の居場所が狭いからいや」
アリアさんにみかんが続いた。今俺とアリエはみかんのベッドにいるのだ。嫌がるのも無理はない。
「悪い、離れるわ」
俺が離れるとアリエが寂しそうな顔をした。
「そんな顔するな、こっち来いよ」
俺は自分の隣にアリエを招き入れる。
「で、お前ら二人高校どうすんの?」




