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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十六章 二年目の夏編
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二百十九話 幕間、マイクと麗しの女神



マイクは自室にてアリエの別荘行きについて考えていたが他の者とは喜び方が違った。


「金持ちの女の子の別荘に行けるなんて感激だ。ん、待てよ、アリエちゃんの別荘ということは我が麗しの女神も来るということか!これは楽しみだ」


麗しの女神とはアリエの姉、アリアのことである。なぜ彼女がそう呼ばれるのか、それはアリアとマイクの出会いまで遡る。


それはいつものカフェダムール、アリエもいる時だ。


「アリエ、ここにいたのね」


「お姉ちゃん」


「いらっしゃいアリアさん」


アリアが現れるとアリエと葉月が出迎える。


彼女の美貌を見てマイクは見とれた。彼の故郷では金髪など珍しくない、だがその整った顔は彼の知る者にはいなかった。そして彼女の豪奢なオーラはその美貌を加速させた。


「とりあえずカフェモカ」


「はい」


アリアが葉月に注文をする。


「そこの女神さん!」


マイクは興奮して立ち上がった。


「誰よこの人」


アリアが葉月に聞く。


「マイク・テフォード、俺のクラスに転校してきたんですよ。イギリス出身らしいです」


「へえ、わたしは星宝アリア。そこにいるアリエの姉よ」


アリアがマイクに名乗る。


「その子の姉なんですか、道理で女神なはずだ」


「女神?わたしが?」


アリアはマイクの言葉が飲み込めず首を傾げる。


「ええ、あなたのような美しい人は僕の故郷にもいません。僕と、ランデブーに行きませんか?」


「はい?」


アリアはやはりマイクの言葉が分からない。


「だから、僕とランデブーに…………」


マイクはめげずに繰り返す。


「誰か翻訳してくれるかしら?」


アリアは葉月達に助けを求める。


「デート行こってことじゃないですかね?」


「こいつ顔が良ければ誰でもいいから」


葉月とアリエが言う。


「なるほどね」


アリアは二人の言葉を聞くとマイクに向き直る。


「却下」


「え?」


マイクが申し出を断られショックを受ける。


「だから、あなたとデートとか行かないって言ってるの」


アリアが詳しく言う。


「え、なんで?」


「なんでってあなたとわたし会ったばっかじゃない、なんてそんな人とデートとか行かなきゃならないのよ」


「じゃ、じゃあお友達からで………」


「それも却下」


「え、あの、是非………」


「却下」


「え………」


「却下よ」


マイクはその日は諦めたが彼女と会う度アタックを仕掛けた、だが結果は同じだった。そしてアリエの別荘に行くことでアリアに会う可能性が出来た、もしかしたら一日中一緒にいるかもしれないと思うと期待が膨らんだ。



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