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二百十五話
「そういえばみかんは?まだ来てないけど」
アリエが聞いた。
「夏休みの宿題だよ」
「あいつ、まだ終わってないの?」
そう言いながらアリエはスマートフォンを操作する。
「もしもしみかん?今から葉月の店来なさい。え?宿題なんて後からでも出来るでしょ。いいから来なさいよ、二度手間になるから」
相手はみかんか、わざわざ呼びつけるとはどんな用件だろう。
「なんで呼んだんだ」
俺はアリエに聞いた。
「今日は面白いことをみんなに提案しようとおもってるのよ」
アリエが何かを企むような笑みを浮かべる。
「へえ、そいつは楽しみだ」
「いらっしゃいみかんちゃん」
「来たか」
しばらくしてみかんが現れる。さっき出て行った清さんももう戻っていた。




