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二百十三話 みかんとアリエと夕と③
「うわ、お兄ちゃんダサッ」
みかんの冷たい言葉に俺の顔も無になった。
「だからって急に無表情になられても………」
今度は苦笑いされた。どうしろって言うんだ。
「葉月、あんたなにしてるのよ」
アリエまで現れた。
「わりぃ、ついてきちまった」
俺は頭の裏をかきながら言った。
「はあ………、しょうがない葉月ね」
アリエがため息をつく。これで許されたんだから儲けものだ。
「清さんも、どうして」
ついには夕さんも現れた。
「ああっ、夕ちゃーん!」
清さんが目の前に現れた夕さんに感動して抱きつく。さらには頬を擦り合わせた。熱烈な歓迎というやつか。
「ねえ葉月、あいつってもしかして………」
「ああ」
俺はアリエの言わんとすることに頷いた。
「あの人って誰にでもああなのかな」
みかんが言う。男相手にもああだったら誤解を生みそうだ。
その後俺達はみんなで双葉パークにある色んな店を回った。女子だけというのもいいが仲間外れはやはり辛いものだ、みんなと一緒が一番。




