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二百十話 みかんと庵々③
「ところで夕、三人でどこか出掛けない?」
「お兄さんとみかんさんと三人?」
みかんの提案に夕さんが尋ねる。みかんはゴールデンウィークに来た時彼女と友達になって一度デパートに連れて行ったことがあった、今度もその誘いだろう。
「ううん。あたしと夕と、アリエの三人」
「それはいいわね、乗ったわ」
「楽しそう」
みかんの言葉にアリエと夕さんが乗る。
「あれ、俺は?」
俺は声を上げた。これでは俺だけ仲間外れじゃないか。
「お兄ちゃんは留守番」
「たまには女だけで出かけたいの」
「ええ」
二人に言われ俺はショックを受けた。こんなの、こんなのってありか?
★★★★★★★★★★
このまま引き下がるわけには行かない、俺は三人を追跡することにした。




